「風の聖痕Ignition6 ヒミツのカンケイ」 山門敬弘

風の聖痕の6番目の短編であり
2009年7月20日に亡くなった山門敬弘さんの最後の単行本でもある


短編が5つ、ありがたい事に一冊分の量に達していたみたいだね
「ヒミツのカンケイ」学園のアイドル綾乃の彼氏と噂される和麻をパパラッチが追う
「甘いお誘い」綾乃の友人、七瀬に妖魔が取り憑いて、ドタバタ
「綾乃さんのお宅訪問」綾乃が和馬の家に行く
「柊太一郎のそれでも割と幸せな一日」柊と綾乃のデート
風の聖痕NOIR 炎の喚び声」世間で起こる人体発火の正体とは
基本コメディが多い短編だけど、最後の奴だけはシリアス、こういうのも良いね


そして編集部の人が、作者の実家のPC内に、長編7巻の書きかけ原稿があったのを
両親に許可を貰って、掲載しているのだが、本当に途中という感じで

小雷の過去。復習を決意する過去の少女。
和麻との会話を回想。復習者の姿に恐怖する小雷。

後で膨らませるつもりであったろう、あらすじがあったり
妙に行が開いてる箇所があったり、台詞の途中で切れてたりする
そして最後

その表情からは、手を伸ばせばすぐにも届く巨万の富への欲望は見受けられない。
ついでに言えば、

文章が途中で途切れて終わっているのが、本当にこれが最後
続きが出る事はありえないことなんだ、という感じがして少し哀しい
全12冊、堪能させて頂きました。ご冥福をお祈り致します。